Chapter 1:FVGとは?【基礎知識】
● Fair Value Gap(FVG)とは?
Fair Value Gap(以下、FVG)とは、チャート上で価格が急激に動いた際に出現する「価格の空白(ギャップ)」のことを指します。
特に、3本の連続したローソク足において、1本目と3本目の高値安値が重ならないという特徴があります。

この空白は、市場の需給バランスが一時的に崩れた証拠。つまり、「買いたい人」や「売りたい人」が急に増えた状況で、マーケットが一方向に偏った結果なのです。
そして、その空白が形成されたあと、多くの場合、価格は一度その空白部分を埋めに戻ってくるという「リテスト」現象が起きます。これがトレードチャンスの起点になるわけです。
● 特徴
項目 | 内容 |
---|---|
発生タイミング | 急激な買い/売りが集中したとき(=注文が片側に偏った時) |
構成ローソク足 | 3本:1本目と3本目の高値・安値が重ならない |
期待される動き | ギャップを埋める動き(リテスト)→反発や継続の起点 |
活用シーン | 押し目買い・戻り売り・反転ポイント・トレンド継続判断など |
Chapter 2:FVGのチャートでの見つけ方
● Bullish FVG(上昇のギャップ)
- 1本目の高値
- 2本目:強い陽線
- 3本目の安値
→ 1本目の高値と3本目の安値が被らない場合、その間がFVG。
例:
USDJPY 1時間足で強い上昇トレンド中、2本目の陽線が長く伸び、1本目の高値よりも3本目の安値が上にある場合、そこがBullish FVG。価格が一度戻ってきた際にリテストで反発する可能性が高い。

● Bearish FVG(下降のギャップ)
- 1本目の安値
- 2本目:強い陰線
- 3本目の高値
→ 1本目の安値と3本目の高値が被らなければその間がFVG。
例:
急落したときに生じたFVG。戻り売りポイントとして機能し、下降トレンドを継続する根拠となった。

Chapter 3:勝てるFVGを選ぶ5つの共通ルール
1.未タッチであること
初回リテストのFVGが最も有効。何度も触れられたFVGは“効力切れ”の可能性が高い。
2.サイズが大きい
ギャップ幅が広い=需給の偏りが大きい=価格が引き寄せられやすい。
3.BOS直後
高値更新や安値更新(=BOS)後のFVGは、機関の介入を示す重要サイン。
4.ムーブの下半分
フィボナッチで言えば0〜0.5のゾーン(割安領域)にあるFVGは、押し目に最適。
5.キーレベル直下は避ける
抵抗帯やサポート帯の近くでできたFVGは、即座に弾かれて“失効”しやすい。
✅ 実データに基づく分析(仮想モデル)
以下の図は、FVGのサイズ(ギャップ幅)とその後の反発成功率との関係を示したイメージ図です。
傾向として、FVGの幅が10pips未満の小さい場合、ノイズとして機能しないケースが増える一方、20pips以上のFVGはリテスト時の反発率が高くなる傾向にあります。
Chapter 4:実践エントリールール
項目 | 内容 |
---|---|
エントリー | FVGの中央値(50%ライン)で反発を確認したらエントリー |
ストップ | FVGゾーンの外(高値/安値の先) |
利確 | リスクリワード1:2の位置(例:20pipsリスクなら40pipsリワード) |
補助判断 | ピンバー、包み足などの反転ローソク足パターンで判断 |
実例:
GBPUSDで、4時間足のBullish FVGに1時間足で価格が戻り、ピンバー出現 → ロング → 利確成功(RR1:2)。
Chapter 5:応用戦略
▶ Strategy ①:Inversion Gap(反転ギャップ)
抜けられたFVGが、今度はレジサポとして機能するケース。
- Bullish FVGが下抜けされた → 次回は戻り売りゾーンに。
- Bearish FVGが上抜けされた → 次回は押し目買いゾーンに。
実例:
AUDUSDで、過去に効いていたFVGゾーンに再接近。反転サインが出たため逆方向で仕掛け、RR1:1で利確。
▶ Strategy ②:FVG × フィボナッチ
フィボナッチの61.8%や50%とFVGが**“重なる”ゾーンは最強レベル**。
- 高安にフィボナッチを引く
- ゴールデンゾーン内にFVGが存在するか確認
- ローソク反転でエントリー
例:
EURJPY 1時間足で下降後の戻し。61.8%とBearish FVGが重なったゾーンで包み足→ショート成功。
▶ Strategy ③:マルチタイムフレーム分析
- 上位足でFVGを見つける(4H、1H)
- 下位足でローソク反転&モメンタム一致(MACD、RSI)
例:
上位足4HのFVGに価格が接近 → 15分足でピンバー&MACDクロス → ロング成功。
Chapter 6:失敗しやすいFVGのパターン
NGパターン | 理由 |
---|---|
小さすぎるFVG | ノイズであることが多く、トレード根拠として弱い |
すでに何度も触れられている | 反発力が消失している可能性大 |
トレンドと逆行している | ダマしの可能性が高まり、勝率が低下する |
BOSを伴わないFVG | 構造変化がなく、ただのノイズで終わる |
キーレベルに接近して形成 | すぐにレジスタンスに跳ね返される |
✅ 総まとめ:FVGトレードで勝つためのチェックリスト
チェックポイント | ○ or ✕ |
---|---|
初回リテストであるか? | |
トレンド方向と一致しているか? | |
FVGサイズは十分か? | |
BOS直後か? | |
割安ゾーン(Discount)か? | |
他の根拠と重なるか?(フィボナッチ・MACD等) |
💬 よくある質問(FAQ)
Q. FVGはインジケーターで見つけられますか?
A. はい。TradingViewでは無料インジがあります。ただし、機械任せにせず、構造や相場状況とセットで判断する力が必要です。
Q. FVGだけで勝てますか?
A. 単体での使用は危険です。FVGは「ゾーン」であり、「タイミング」は別途ローソク足やオシレーターなどの補助判断と組み合わせましょう。
Q. なぜFVGが埋まるのでしょう?
A. 順張り勢が利益確定する動きや、逆張り勢が入ってくる動きで、一時的に「元の価格」に戻る心理が働くためです。
🎓 まとめ:FVGは“再現性”と“論理”が揃った武器になる
FVGは、見た目だけでなく、相場の心理と構造の変化を映し出すサインでもあります。
適切な条件を満たしたFVGを見極め、補助根拠と組み合わせれば、トレードの勝率とリスクリワードを両立できる優秀な武器になります。
再現性があり、機関の動きとも整合性が取れるFVG。
あなたの戦略にぜひ組み込んでみてください。